デトックスと漢方
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この間、若いカップルがお見えになり
「デトックスをしたいのですが、何かお勧めの漢方薬がありますか?将来に備えてデトックス習慣を身につけ、身体の内側からリフレッシュしたいと思っています」
と言われました。
お二人は、デトックスで知られているドクダミ茶などをイメージしておられるのでしょうか。
健康そうなお二人に、何をどうアドバイスしたら良いかと困惑してしまいました。
そこで
「今デトックスしないと、将来何が心配ですか?」
と二人に尋ねました。すると
「疲労感が取れなくなったり、むくみや便秘になることです」
と交互に答えてくれました。
さらに男性の方が
「実は、32歳になりますが、お酒を飲む雰囲気が好きで、1週間に3日は、友達と飲んでいます。主にビールが好きです。
ただ翌朝になると、フェイスラインがなくなってしまうくらい、顔がパンパンにむくみます。
恥ずかしいので、必ずマスクをして出勤しています。あとお腹も太ってきました」
と話してくれました。
「飲酒後のむくみ」と言って相談してくれればと思いながら、この男性には、加味平胃散をお出ししました。
加味平胃散は、暴飲暴食により、胃内に食べ物や水分が停滞している胃腸障害に用いられる漢方薬です。
それから普段服用すると良い漢方薬として、胃内の水はけを良くして、浮腫みを解消する香砂六君子湯をお勧めしました。
同時に、アルコールを減らし、余計な水分は、運動で汗として排出することを心掛けるよう指導しました。
デトックスで最重要な臓器である肝臓に一番負担を掛けるものは、アルコールです。
何故ならアルコールは毒性が高いため、肝臓がアルコール代謝を優先的に行うからです。
日常的にアルコールをとると、毒素が溜まり、肝臓が疲労してしまうこともお伝えしました。
すると男性が
「漢方を使ったデトックスって、僕の体質に合わせたオリジナルですね。すごい!」
とおっしゃいました。
いつものように問診することは、その方に必要なデトックスに繋がっていくことに気が付きました。
漢方で考えるデトックス
常に肝臓.腎臓がしっかり働き、有害物質が便や尿や汗として排出されることで健康を維持するのが、デトックスの基本的な考えです。
漢方でも同様に、肝.腎や大腸の働きを整えることが大きな目的です。
漢方のデトックスは十人十色
日常的にデトックスを意識して、食べ物や生活習慣を見直すことは、とても大切です。しかし、人それぞれデトックス方法は異なります。
例えば
多量の水分を補給し、尿量を増やすデトックス
⇒水分量を増やせば毒素を沢山排出できるとは限りません。水分の取りすぎは、むくみの原因になります。
サウナで汗を出すデトックス
⇒身体に必要な水分まで出してしまうこともあります。潤い不足の方にはお勧めしません。
ドクダミ茶によるデトックス
⇒ドクダミは漢方では「重薬」と言われ、清熱薬として使われています。特に冷え性の方が飲むと、熱を奪ってしまい、体調を悪化させることもあります。
このように、ご自分に合うデトックスを見つけることが大切です。
今回、若いお二人から、漢方を使ったデトックスは、オーダーメイドのデトックスということを、改めて気付かせていただきました。
デトックスは十人十色。
当店では、体質や体調に合わせ、適切なものをお勧めしたいと思います。是非ご相談ください。