お悩み別漢方

冷え症の意外な原因

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冷え症の原因には大きく2つあります。

  1. 身体虚弱⇒元々身体が弱く、身体を温める力が不足している
  2. 食物⇒冷たい物中心の食事が多い

この原因の他に、意外かもしれませんが、過度なストレスがかかると、まれに強い冷えを感じることがあります。

随分前のことです。

12月の半ばに所用で埼玉県に行った帰りに、友人の家に伺いました。友人は、少し遅れるとのことで留守でした。

友人の母親が、申し訳なさそうに

「山梨から来てくれたのに、ちょっと待っていて」

と、暖房が効いた日当たりのよい応接間に通してくれました。

友人の母親が、寒い寒いと言いながら

「ごめんね~寒いでしょ~?今ファンヒーターを持ってきたから~」

と、私の真横に置いてくれました。

 

部屋の中は、ファンヒーターがなくてもウトウトしてしまうくらいの暖かさでしたので、今度はものすごく暑くなってきました。

そこで、ファンヒーターを消してよいか尋ねたところ、とてもびっくりされ、

「甲府は寒い土地柄なので、寒さに強いのかしら?私なんて寒がりなので、部屋の中は、常にもっと暖かくしてるのよ」

とおっしゃいました。

 

 

でも友人の母親は、私がセーターを着ているにもかかわらず、半袖でした。そこで

「家の中では、普段から半袖ですか」

 

と尋ねました。すると

「そうそう、厚着は、動きが制限されるので好まないのよ。そのくせ寒い寒いと言うから、皆に、寒いなら服を着るようにとよく怒られる」

と笑いながら、お話ししてくれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

そうこうしているうちに、友人が帰ってきて、友人の母親を交えて談笑しました。

当時友人の母親は、ご主人の介護をしていました。今ほど介護制度が確立してなくて、とても大変だったと思います。どこにも出かけられないので、お客さんが来てくれるのが、唯一の楽しみと話していました。

 

その後帰りの電車に乗った瞬間、漢方の師匠が

「ストレスが強すぎると、寒気を訴えることがあります。でもその割に服装は、人より薄着です。この場合、温める漢方薬を飲ませても、全く効き目がありません。ストレスを取る漢方薬を飲むと、すっと寒気は取れます」

と言われたことを思い出しました。まさしく、友人の母親です。

 

家に着いて、慌てて友人に、電話して

「お母様は、かなりストレスがかかっているから注意するように」

と言いましたが、

「元気だから大丈夫よ」

と笑いながら話してくれました。

 

しかし、その2年後に、友人の母親は重病にかかり、入退院を繰り返すようになりました。

 

友人は

「あの時の電話でのアドバイスを気にもしていなかった。医師から『遺伝でなければ、ストレスが原因の可能性がある』と言われハッとした」

と話していました。

 

 

私があの時あの場ですぐ気が付いて、ストレスを緩和するような漢方薬を飲んでいてもらったら、もしかしたら、重病を免れたかもしれないと、今でも考えます。

 

 

 

 

日頃から、寒気を感じている方や、ご家族に冷えを訴える方がいらっしゃる皆様、その原因は、強いストレスから来ているかもしれません。

「病は気から」と言われるように、心配事や不快な事があると、体調が悪化したり病気にもかかりやすくなります。

もう一度、ご自分やご家族の生活を見直してみて下さい。

ストレスの存在に気付けるかもしれません。そのストレスを軽くするには、漢方薬も有効です。

是非ご相談ください。

 

 

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この記事の執筆者

新海薬局

薬剤師 丹沢 仁美
Hitomi Tanzawa

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