「病はイライラから」
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「イライラが治まる漢方薬が欲しい」

と薬局にお見えになる方は、ほとんどいらっしゃいません。
大体は、問診時にイライラの程度を見極めて、いつもの漢方にイライラが治まる漢方薬を加えたり代えたりしています。
先月のことです。いつも胃腸薬をお求めになる30歳代後半の女性ですが、両目が充血していました。
「あれ?花粉症ですか?」
と尋ねたところ、その女性がため息をつきながら
「違います。結婚も考えていた男性に、一昨日振られてしまいました。泣いてばかりいます。夜もあまり眠れません。これからどうすればよいのか?今からファミレスでも行って、やけ食いでもしようか」
と一気に話し始めました。

胃腸薬を飲みながらやけ食いだなんて、やめた方が良いに決まっています。
しかし、イライラ感が充満していたので、うっかり気に障ることを話し、かえって怒らせてもいけません。
「私は、恋愛相談は苦手だな。健康相談なら良いけれど。今日はいつもの胃腸薬ではなく、失恋後の胃腸薬にしましょう」
と手短に話したところ、納得したようにうなずかれました。
その場で「柴胡疎肝湯」を服用していただいたところ、胃の痛みが取れたと言われました。
「柴胡疎肝湯」
ストレスにより、お腹にガスが溜まって痛む
イライラで思い出されるのが、漢方薬を学びたての頃の講習会でのことです。
一緒に講習会を受講している30歳代の男性が、遅刻をしてきました。
「来る時に、車を壁にぶつけてしまいました。遅くなりすみません」
と話し始め、そこから一気に色々な愚痴をこぼしました。
「仕事でトラブルがありました。パートさんの一人が、月末に辞めることになり、人手不足で店が回らなくなるので、困って眠れません。食事も満足にとれません。考えなければならないことが沢山あり、時間が足りません」
と、落ち着きなく話し続けました。

しばらくじっくり聞いていた師匠が
「漢方の考えに基づいて、彼の症状を弁証論治してみましょう。彼の顔色や、話し方のスピードや口調、ため息交じりだったり、咳払いをしたり、貧乏ゆすりをしたり、座っている姿勢もいつもと違うのを皆さんは気が付きましたか?この状態は肝気鬱血です」
と言われ、肝気鬱血の代表処方である加味逍遥散を、その場で服用させました。
男性は、一服飲むとすぐ、のぼせや目の充血もとれ、口数も急に少なくなりました。
「加味逍遥散」を服用しなければ、長時間じっと座っている講習会は、かなり苦痛だったことでしょう。
彼は全く身体的不調を訴えなかったので、かえって肝気鬱血の外面的症状を理解できた講習会でした。

「肝気鬱血」
ストレスにより、お腹にガスが溜まって痛む
「加味逍遥散」
神経の使い過ぎやストレスなど、自律神経失調症の代表処方
相手の話も聞かず、一方的に自分からしゃべる方や、色々な症状を訴える方に多い
「病は気から」とは言いますが「病はイライラから」もよくあります。
そのイライラは、もしかしたら大病の始まりかもしれません。
4月は、就職や進学で、新生活を始める方が沢山いらっしゃいます。
新しい人との出会いは、胸をときめかせることも多い反面、イライラや不安に悩むことも多い季節です。
イライラする時の対処法で
「深呼吸をする」
「運動する」
などありますが、漢方薬を飲んでみるのはかなり効果的な対処法だと思います。
イライラの原因は肝気鬱血以外にもたくさんあります。
是非ご相談ください。










