食欲の秋~元気な時でも胃腸を大事に
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夏の暑さも和らいだ頃、ショッピングモールで、幼い子供連れの女性に突然声をかけられました。
思い出せずにいた所
「先生に、食事改善をするように言われたEです」
と言われ
「あ~、赤ワイン好きの~Eさんね~?」
と言ってしまいました。
Eさんは赤ワインが大好きな方で、数年前、下痢に悩まされてご相談に見えたのでした。
秋は食欲の秋とも言われ、つい暴飲暴食し、胃腸の調子を悪くしてしまう方も多いです。
そこで今回はEさんを例に挙げ、胃腸のお話をします。
当時、Eさんは就職したばかり。
3か月以上も下痢に悩まされていました。
仕事の日は昼の2時になるとお腹が痛くなり、トイレに駆け込む毎日。
仕事のことを考えると寝付けないので、大好きな赤ワインを飲んで寝るとのことでした。赤ワインを多めに飲むと朝から下痢したようです。
休日は、仕事の日ほど症状は酷くない上、下痢止めや整腸剤を服用しても効果がないことから、ご本人は仕事上のストレスが原因と考えていました。
しかし顔色は優れず、問診してみると、ストレスというより、胃腸の疲れとわかりました。
食事指導をし、1週間分の漢方薬をお渡ししました。
ところがその2日後
「今朝もお昼も下痢したので、今日はそのまま早退しました。漢方薬が効きません」
とお電話がありました。そこで、食事内容を再度詳しく尋ねたところ、全く改善されていませんでした。
「昼食は、喉越しの良さを考え、いつもコンビニのとろろそばや冷やし中華です。でも夜は母親が作る野菜中心の和食で、栄養を摂っています。寝る前の赤ワインは欠かせません」
とのことでした。
昼間の2時に決まって下痢をするというのは、ストレスではなく、昼食やアルコール類が原因なので、食事内容を徹底的に見直した方が良いと本人に指導しました。
指導1
昼食は、お粥だけにすること
指導2
寝る前の赤ワインは中止すること
その数日後、漢方薬を飲みきって来局されました。
「随分下痢が良くなりました。もう少し漢方薬は続けます」
とのことで、3種類の漢方薬を、その時々の体調に合わせ服用するよう指導し、お渡ししました。
◎処方した漢方
- 補中益気湯
- 参苓白朮散
- 真武湯
その数か月後
「体調を考えながら、自分なりに上手に漢方薬を飲み分けています。でも昨日は飲み会で、暴飲暴食しました~」
などの近況報告をしてくれましたが、仕事のストレスの話は一切なく、毎日が楽しそうでした。
しばらくするとすっかり下痢も治まり、体調に自信がついたのか、来局もお電話もなくなりました。
今回お会いした時に
「その後結婚し、子供にも恵まれた」
とお話しくださいました。
学生時代は、母親が毎日お弁当を作り、食事管理をしてくれたが、社会人になり羽目を外し、食事が疎かになったそうです。
今では母親に負けないよう、自分も子供や家族の食事に気をつけているそうです。
そして今でも、お守り代わりに3種類の漢方薬を持っているそうです。
私の漢方の師匠は
「胃腸を常に丈夫にしておかないと、病気はすぐに悪化する。
元気な時でも胃腸を大事にするように」
と言っていました。
胃腸を丈夫にするには、
薬で3割・食生活養生で7割と言われるほど、食事は重要です。
食生活養生とは
1.温野菜中心
2.腹八分目
3.夜遅い時間に食べない
4.よく噛んで食べる
5.脂っこい物・甘い物・冷たい物を控える
胃腸に自信のない方は、日々の食生活と漢方で心身ともに健康になれます。
是非ご相談ください。