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子宮内膜症

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子宮内膜症とは?

子宮内膜症は、本来、子宮内腔にしか存在しないはずの子宮内膜や子宮内膜様の組織が、子宮以外の場所に出来てしまう病気です。

出来る場所は卵巣・ダクラス窩・S状結腸・直腸・仙骨子宮靱帯・腟・外陰部・膀胱・腹壁・へそなど様々です。

子宮以外の場所にできた子宮内膜にも、子宮と同じような変化が起こります。

月経期になると子宮以外の場所にできた子宮内膜も剥離・出血してしまうのです。

しかし、子宮と違い、血液や内膜を体外に出すことはできません。そのため、血液がたまって嚢腫ができたり、ほかの臓器との癒着が起きたりし、痛みも出てきます。

生殖年齢の女性のおよそ10%に子宮内膜症があると考えられています。

妊娠したことのない女性に多いことも知られています。

 

原因は?

西洋医学的には、原因は不明とされています。

月経時に剥がれ落ちた子宮内膜の一部が、卵管を逆走して卵巣や腹部臓器に達して増殖するという説が最も有力視されています。

その他に生まれつきという説もあります。

 

中医学では?

中医学では子宮内膜症の主な原因を「オ血(オケツ)」と考えます。

(「オ血(オケツ)」とは血行不良のこと。よい血が体の中を巡っていない状態だと考えてください。)

まずは停滞した血の巡りをスムーズに整えることが大切です。

また、「オ血(オケツ)」の状態を招いた原因を探ることも必要です。

体の状態を考え、

 

「気が滞っていないか」
「冷えはあるか」
「気血は不足していないか」

 

なども考えながら、個々の体質に合わせて漢方を選んでいきます。

気になる症状があったら、早めに診察を

 

・生理痛がひどい
・月経時ではないのに下腹部や腰が痛む
・月経血が多い
・月経血にレバー状の塊がある
・不正出血がある
・性交時に膣の奥が痛む
・排便時、肛門の奥が痛む
・不妊

 

症状によってはホルモン療法や手術なども必要になるため、まずは医師の診察受けましょう。

 

漢方は子宮内膜症の進行や再発の予防、痛みの緩和などにお勧めです。

西洋医学と漢方を上手に併用しながら、自分の症状や体質に合ったケアをしていきましょう。

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この記事の執筆者

新海薬局

薬剤師 丹沢 仁美
Hitomi Tanzawa

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