汗かき・多汗症と漢方
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甲府は全国的にも有名な猛暑都市です。梅雨も嫌ですが、明けたとたん毎日が酷暑。昼夜の寒暖差もあまりなく、熱帯夜が続きます。当然一日中汗をかいてぐったり…。
健康的なイメージのある汗ですが、汗で悩む方も多いです。
◎西洋医学での発汗
汗の量が多くても、バセドー氏病などの甲状腺機能亢進症を除いて、特に問題視しません。体温調節するという点から大切な生理現象と捉えていて、高熱時の解熱剤服用後の発汗は、当然のものとしています。
◎漢方での発汗
汗の有無をとても重要視します。汗かきが主訴でなくても、汗のかき過ぎは何らかの不調と考えます。
こんな相談がありました
◆38歳女性
二人目を出産後からだるくてしかたありません。以前より昼間の汗も寝汗もたくさんかきます。顔の湿疹も増えました。
⇒ 肉体的疲労をとる漢方薬を2週間服用していただいたところ、寝汗と湿疹は比較的早く良くなりました。だるさは軽減してきたものの、なかなかスッキリしないので、続けて服用してただいています。
◆40歳男性
家族から髪の毛が減ったと言われ、気になり夜も眠れません。暑さもあり、動くとすぐ汗をかきます。
⇒ 頭髪の脱毛が特に多い訳ではなく、汗が多くてびっしょり濡れてしまって、髪の毛が減ったように見えていると判断しました。
そこで汗が引く漢方薬と気の流れが良くなる漢方薬の2種類を服用していただいたところ、髪の毛が少なくなっていないと納得され飲みきり終了です。
「汗」に漢方薬を
最初二人が薬局に見えた時は、薬局の床にしたたり落ちる位の汗でした。お二人とも「汗」の症状ですが、治す漢方薬は違います。各々の体力や年齢、暑がり・寒がりのような体質・ココロの状態に合わせ、同じ病や症状を改善する場合でも人によって違う薬が処方されるのです。一方、全く異なる症状でも同じ漢方薬が処方されることもあります。
即ち、症状だけでなく、原因や体質を考えながら処方される漢方薬は、汗かき体質、多汗症の改善にも最適な治療法だと思います。
あなたはどのタイプの汗かきさん?
1. 水と熱が溜まったべったり汗タイプ
<特徴>
汗で服が黄ばむ
体臭がひどい
喉が渇いて仕方ない
<原因>
暴飲暴食
油っこい食事やスパイシーな食事を好む
<おすすめ漢方薬>
黄連解毒湯 防風通聖散
2. エネルギー不足のサラサラ汗タイプ
<特徴>
ちょっと身体を動かしただけで汗が出る
虚弱体質
風邪を引きやすい
<原因>
身体が弱ってくると、エネルギー不足により内臓だけでなく体表面もバリア機能が働かず、汗が出てしまう
<おすすめ漢方薬>
玉屏風散 補中益気湯 生脈散
3. ココロが疲労しているドキドキ汗タイプ
<特徴>
緊張すると動悸がして汗が出る
睡眠が浅い
<原因>
過度なストレス
<おすすめ漢方薬>
桂枝加竜骨牡蠣湯 帰脾湯
4. 更年期のホットフラッシュ汗タイプ
<特徴>
突然身体が火照り汗ばむ
<原因>
閉経前後のホルモンバランスの乱れ
<おすすめ漢方薬>
加味逍遥散 天王補心丹
漢方薬の服用について
漢方薬は西洋薬に比べ、効果が穏やかという印象が強いため、サプリやお茶感覚で服用していらっしゃる方がいると思います。しかし、ご自分の体質に合わない薬を選んだことで副作用が強く出たり、かえって症状が悪化する場合もあります。また間違った漢方薬を服用したため、汗が止まらないで来局した方もいらっしゃいました。
漢方薬を選ぶ際は、正しい知識を持った専門家のいる当店にご相談ください。自分に合う漢方でお悩み解決!