お悩み別漢方

梅雨時のめまい

  • その他の症状

何年前からでしょうか?梅雨時になると必ず連絡をくれる友人がいます。
眩暈がして吐き気がひどい。頭痛もあるから気分もめげる。耳鼻咽喉科へ行ったり、脳ドックを受けたり等、ありとあらゆることをしているが治らない。病院の薬も色々試したけれど、どうもさっぱりしない。漢方?そんな簡単には、私のこの頑固な眩暈は治らないの(笑)
と、毎年こんな調子で電話がかかってくるのです。
漢方薬で湿気に負けない身体作りを試してみればよいのに」とそれとなく話しても、全く聞く耳持ってくれません。今年もまたそんな季節がやってくるな~と思っていたところ、先日その友人が突然来局しました。
今からどうしても外せない大事な用事がある。でも朝から軽いめまいがして体調が悪い。いつもの病院の薬も、昨年飲み切ってしまった。これ以上悪くならない薬はない?」と慌てた様子でした。急いでいたので、すぐさま「沢瀉湯」を数包渡しました。
後日友人が再来局し、
これ以上悪くならないようにと願いながら飲んだせいか、1~2包で驚くくらい体調が良くなった。いつもの病院の薬よりも効いた。今日は、また眩暈予防で沢瀉湯を買いに来た」と話しました。今回は予防とのことだったので、沢瀉湯ではない漢方薬をお渡ししました。たぶんこれで、今年は友人の不調の話を聞かなくなると思います。

 

漢方の考え方

梅雨時は「湿気」が原因で、身体に余計な水が溜まりやすいと考えます。
多湿の時期に体が重だるく感じたことはありませんか。濡れた服を着ていたら身体が重くなるのをイメージしてください。
「湿気」のせいで余分な水分が体内に生じ、それが正しく巡らないと滞りが生じます。滞った場所に不調が起こるのです。
清流はきれいな水がサラサラと流れていますが、流れが悪くなると澱んで藻が発生したり、ドロドロしてくるのを想像していただければ分かりやすいかと思います。

 

「湿気」が原因の不調の症状
1 身体が重だるい
2 むくむ
3 頭が重い・痛い
4 めまい
5 関節が痛む・腫れる・こわばる
6 食欲不振
7 下痢・軟便

これらの症状は、特に天気が悪いと悪化します。

 

「湿気」とめまい

めまいの原因はいくつかありますが、その一つが上にも挙げた「湿気」です。

「湿気」が原因のめまいの特徴
1 起床時に起こりやすい
2 天気が悪いと起きやすい
3 回転性のめまいが多い

 

梅雨時のめまいによく服用される漢方薬

湿気」による不調も漢方の得意分野です。以下に代表的なものを挙げてみます。

1 沢瀉湯
眩暈のファーストチョイス
立ち眩みから回転性の眩暈まで
2 苓桂朮甘湯
動悸や不安感を伴う場合
3 定悸飲
動悸を強く感じ、ストレス症状がひどい場合
4 半夏白朮天麻湯
食欲不振、頭重感を伴う場合

 

日常生活で注意すること

必要以上に水分を取りすぎないこと。
水分を多くとったら、軽い運動をして汗をかいたり、トイレに行く回数を増やしたりして下さい。
1日の水分量は、尿の色で判断できます。尿の色がかなり濃く茶色に近い黄色なら、水分量が少なく、反対に無色に近ければ多すぎます。

 

漢方薬でつらい症状を改善

梅雨時期の体調不良は当たり前、もしくは仕方がないとあきらめていませんか?
つらい症状をそのままにせず、ぜひ漢方をお試しください。梅雨時のめまいに漢方薬を服用したら「3日で改善した」と即効性に驚かれる方もたくさんいらっしゃいます。
個々の症状や体質にあった漢方をお選びいたします。ご相談ください。

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この記事の執筆者

新海薬局

薬剤師 丹沢 仁美
Hitomi Tanzawa

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