息苦しさと漢方について
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コロナ禍でマスクをしていることが日常となりましたが、最近、特に暑いし息苦しい。冷感マスクに変えてもあまり変わらない。 実は私はこのところマスクをしていて息苦しく感じることが非常に多くなりました。まあ甲府の夏は暑すぎるから仕方ないかと思っていましたが「でもちょっと待てよ」と気が付いたことがありました。
快適温度の薬局内にいるのに息苦しく感じるのは、患者さんへの投薬が終わり、ちょっと一息ついて、薬歴をコンピュータに打ち込んでいる時が多いのではなかろうか…。
一生懸命問診しているときや、投薬、調剤などしているときは、汗をジワジワかいていても、息苦しさは忘れています。
今回はまず漢方の考え方で、自分の症状を分析してみようと思いました。
漢方の五臓と呼吸
「肺」…呼吸をコントロール
「腎」…深呼吸など深く息を吸うのに関連
⇒息を「吐く」より「吸う」方が大変と感じる場合は、「腎」の不足が考えられます。「腎」は生命の源。生命力のパワー不足を考えます。
「心」…「血(けつ)」を循環させる働き
⇒この働きが弱くなると胸苦しさが出てきます。胸苦しさを感じる場合は「心」の機能が落ちていると考えられます。
「脾」…「脾」で作られた栄養源は「肺」と交わり「気」となります。
⇒「脾」の働きが落ちると、呼吸を続けるための「気」が不足するため、息が長続きせず、息切れが起きます。
「肝」…「血(けつ)」を作る働き、「気」を流す働き
⇒「肝」の働きが乱れると、「気」の流れが喉に滞り、詰まった感じになり、息苦しくなります。
このように「息苦しさ」には様々な五臓が関わっています。「息苦しい」というだけではどの五臓の働きが原因かは、判断できないので、いつも患者様にいろいろお伺いしながら判断しています。
また、熱中症、狭心症、心筋梗塞、心不全などすぐに病院を受診した方がよい場合もあります。
「息苦しい」と感じたらまずはご相談ください。
当店での症例
35歳男性
身体が重だるいので、ダイエットを始めた。体重は3週間で、6kg痩せてよかったのだが、以前より疲れる。特に階段で3階まで上がると以前にはなかった息切れがある。
⇒胃腸の状態が乱れていたので、「脾」を強化する漢方薬を飲んでいただいたところ、5日間位で息切れは治まりました。
43歳女性
不眠、不安感、動悸。動悸時は息苦しく心臓が飛び出てしまいそうになるが、検査結果は異常なしとのこと。
⇒「心」が弱っていたので、「心」に働く漢方薬を飲んでいただいたところ、体調が良いとの事。1か月服用し、症状は落ち着いたが、もうしばらく続けて飲んでみようと思うとの事。
さて、私はと言いますと、「肝」が原因ではと考え、2種類の「肝」の働きをよくする漢方薬を服用したところ、ずいぶん楽になりました。
自分ではあまりストレスは感じていないつもりでした。特にイライラもなく、喉の詰まりもありません。目の疲れ、不安感、不眠も全くありません。自分の症状を分析すると言っても、息苦しさを感じるのはどんな時くらいしか思いあたりませんでした。今、こうやってブログを書いているときにも息苦しさを感じていないのは「肝」の漢方薬が効いているお陰だと実感しております。
そうなると自分では気が付かず、イライラしていて、スタッフさんや家族に迷惑をかけてしまったのでは? 自分の体調管理もしっかりやらねばと反省しております。
新海薬局
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