お悩み別漢方

免疫力を強化する漢方薬

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ここ数日「生薬のなつめ(棗)が欲しい。クコの実が欲しい。」と数人のお客様に立て続けに言われました。お売りした際に、なぜこの生薬が欲しいか理由を伺ったところ、皆様「免疫力を上げるため」というものでした。

このコロナ禍で、少しでも免疫力を上げていきたい気持ちは理解できます。でも、ナツメやクコの実で免疫力は上がるのかな?というのが正直なところです。

 

そもそも免疫力が高い人は、様々な環境に対応できるので、風邪やコロナなどに感染しにくくなります。

しかし同時に免疫力の過剰反応も起こってしまうことも考えないといけません。アトピー性皮膚炎や、喘息、花粉症は、過剰反応から起こるものです。ですから、厳密には免疫力の低下を予防、ないし強化と考えます。

 

あなたが以下7つの項目のうち1つでも当てはまったら、免疫力が低下していると考えられますので対策することをお勧めします。

 

1 以前に比べ、寒がりになった

2 何となく汗っぽい

3 低体温

4 冷え性

5 頻繁に風邪をひく

6 のどが弱い

7 年中鼻が詰まり、鼻水がよくでる

 

さて、最初にお話した棗は、生薬名「大棗」で、様々な漢方薬に配合されています。甘草と小麦と大棗からなる「甘麦大棗湯」は、ヒステリー症の鎮静に使用されます。

人参と配合されるときは、気の調節です。生姜(しょうが)と配合されるときは、消化吸収の改善や、葛根湯などの風邪薬に使用されます。

さらには、生薬同士の味をまろやかにし、飲みやすくする働きもあります。免疫力強化を考えるなら、生姜と一緒に服用するのが良いでしょう。

クコの実は、お粥の上に添えて食べたりもしますが、漢方薬としては菊花などと配合した「杞菊地黄丸」があります。

 

 

漢方薬は、色々な生薬を混ぜ合わせて煎じる薬です。西洋医薬品とは大きく異なり、何百という種類の成分が含まれています。漢方の治療方法が、西洋薬と大きく異なる理由は、多種の成分の量や配合によって、色々な症状を同時に改善していくことにあると思います。

漢方では、個々の身体の体質をまず考えないといけません。

たとえば、一人の患者さんの薬を考える場合も、その方が水太り体質であれば、水分が溜まる滋潤作用も併せ持った薬が含まれていないかどうか、また反対にやせ細った方に対しては、利尿作用を併せ持った薬が含まれていないかどうかを、同時に考慮して判断することになります。

特定の疾患だけに着目して漢方薬を服用することは、一時的に症状は改善しても、身体そのものには、悪影響と言うことになりかねません。

 

「今のところ健康だけれど、免疫力を強化する漢方薬を下さい」と薬局に見える方に漢方薬を提案するのは結構難しいことだなと、コロナ禍では特に感じています。

というのは、個人個人の体質によって、服用すべき漢方薬は変わってくるからです。私は、その方の体質はもとより、生活習慣や、睡眠の状況、食事の内容を十分お聞きしてから薬を考えております。そうしないと、その方にぴったりあった免疫力も強化する漢方薬が判断できないからです。

 

特にこれといった大きな疾患はないけれど、最近、何となく調子が悪い方、また体質を改善して免疫力を強化したいと言う方も、是非ご相談ください。あなたにピッタリ合った、免疫力を強化するオーダーメイドの漢方薬を提案します。

 

新海薬局
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この記事の執筆者

新海薬局

薬剤師 丹沢 仁美
Hitomi Tanzawa

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