皮脂欠乏性皮膚炎
- 皮膚の悩み
乾皮症とも呼ばれる皮脂欠乏性皮膚炎は、かゆみをともなう皮膚疾患のひとつです。
以前は高齢の方というイメージがありましたが、最近では若い方や子どもにも、乾皮症の症状があらわれることがあります。
多くは腰~おしり、またはひざ裏あたりから下が乾燥してかゆくなり、白い粉のように皮膚が剥がれ落ちて、かゆいからといって掻くと症状が悪化し、かきこわして黒ずんでしまうことも。特に空気が乾燥する秋~冬に発症し、悪化する傾向にあります。
皮脂が足りなくて水分も足りない
皮脂欠乏性皮膚炎はお肌の脂が足りない、また、お肌の水分が足りないために起こる皮膚炎です。
お肌の保湿には、細胞間脂質とNMFというものが深く関与しています。細胞間脂質は角質層の細胞と細胞の間にある脂質で、細胞と細胞がはがれないようしっかり固定する役目と、お肌の水分の蒸発を防ぐ役割を担っています。
NMFは天然保湿因子のことで、水分を取り入れてキープする役割を担っています。
お肌が乾燥してガサガサ、クリームを塗ってもすぐ乾く、という方は、この細胞間脂質とNMFが著しく少なく、角質層が壊れていることが多いのです。細胞間脂質とNMFは表皮新陳代謝の過程で生まれるものなので、お肌の表面だけでなく、内側から着手していかないとなかなか改善しにくいことがおわかり頂けるでしょう。
皮脂欠乏性皮膚炎の治療方法
皮膚科を受診された場合、一般的には抗ヒスタミン薬や、ステロイド外用薬が出されることが多いでしょう。
ただ、それらはかゆみを抑えるためのもので、皮脂欠乏性皮膚炎の根本的な解決には至りません。
中医学では、お肌のバランス=気・血・津液のバランスと考えます。本来、自分で保湿できるはずのお肌が潤せない原因は、生活習慣や食生活、体のなかにあります。生活習慣や食生活を見直して、漢方薬でバランスを整えていきましょう。
皮脂欠乏性皮膚炎のケアポイント
洗いすぎない、しっかりすすぐ
おフロに入る目的はその日のホコリと汗を払うことです。
乾皮症、皮脂欠乏性皮膚炎石鹸をつけてナイロン製のタオルでごしごしこすると出てくるのは垢ではなく、実は皮膚の角質細胞です。
皮膚の角質細胞は約2週間で生まれ変わりますので、ごしごししなくてもお湯を浴びるだけでキレイになるのです。
毎日ごしごしすることは再生しきっていない角質細胞を無理やりこそぎ落としていることとイコールなのです。
無添加低刺激性の石鹸を使用してやさしくさすって洗い流す程度で、シャンプーもリンスも無添加で低刺激性のものを使用しましょう。
また、長時間の入浴は皮脂膜をも落としてしまう事になります。入浴するなら無添加の保湿入浴剤を入れた38度くらいのお湯に10分以内の入浴をオススメします。
入浴後はすぐに乳液やクリームなどで保湿する
皮膚のバリア機能が低下している状態なので、入浴後はすぐに保湿を心がけましょう。
外出時はマフラーや手袋などで、紫外線や冷たい空気、冷えから肌を守る
エアコンによる空気の乾燥には加湿器でしっかり対応しましょう。
ミニスカートなど露出の多い服装、薄着は避け、体を冷やさないようにしましょう。
首と足元を温めるのがポイントです。衣類の素材は綿がベターですが、洗剤は少なめに使用し、洗剤残りがないようにしましょう。
また、体にあった衣服を着て、衣類で体をしめつけないように、血流を妨げないようにしましょう。
自分で潤せるお肌を目指そう
大切なことは、お肌のターンオーバー(新陳代謝)を正常にしていくことです。
食養生
豚足・豚皮・羊肉・うなぎ・うに・えび・黒米・黒豆・黒ごま・緑豆・大根・しょうが・落花生・ゆり根・にんじん・芋類・冬瓜・苦瓜・きゅうり・きのこ類・きくらげ・豆腐・もやし・桃・サンザシ・さくらんぼ・クルミ・リンゴ・ざくろ・ライチ・沙棘(サージ)などなど・・・
チベットやモンゴルなどの高地や砂漠といった過酷な土地に生息するグミ科の植物、沙棘(サージ)はちょっと手に入りにくい果物ですね。
沙棘の果実には100種類以上もの有効成分が含まれていて、例えばβカロチンやビタミンEとC、フラボノイドなど、ビタミン類の宝庫、まさに美肌の宝庫なのです。
実は嬉しいことに、沙棘(さーじ)のサプリメントがあるんです。
純粋な沙棘果実オイルを手軽に摂れるようにソフトカプセルに詰めた紅沙棘(ほんさーじ)、沙棘の果皮や種子からとったフラボノイド類と果汁を使用した心沙棘(しんさーじ)があります。
他に、よく使われる漢方薬としては、婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、当帰飲子(とうきいんし)などの補血養血薬や、八仙丸(はっせんがん)、杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)、オリヂンP(プラセンタ)などの補腎薬があります。
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