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知らないうちに湿邪体質?むくみやだるさが気になるあなたへ

  • 男性の悩み

先日、若い男性の方から

 

「新海薬局のブログで、胃腸の不調がなかなか改善しなかった、湿邪体質の女性の話を読みました。『湿邪』は初めて聞く言葉で、とても新鮮でした」

 

と言われました。

 

湿邪とは?

漢方では、病気を引き起こすものを「邪」と言い、そのうち過剰な湿気によって起こる不調の原因を「湿邪」と言います。

湿邪はむくみ、眩暈、頭痛、食欲不振などを引き起こす原因となります。梅雨時になると、身体が重だるくなったりするのは、湿邪によるものです。

 

 

湿邪を受けた時の症状チェック

  • 身体がむくむ
  •  身体が重だるい
  •  頭が重い又は痛い
  •  回転性の眩暈がある
  •  胃が重く食欲不振
  •  便は下痢気味

 

この男性は、むくみが見られたのですが、ご自分にむくみがあることに気付いていないご様子でした。年齢は30歳。特に体調の不安はないとのことでした。

 

そこで、男性に質問をしてみました。

私:「身体がむくんでいる感覚がありますか?」

 

男性:「ありません」

 

私:「1日の尿量は少ないと思いますか?」

 

 

男性:「普通です」

 

他にもいくつか質問してみましたが、全て普通とのご回答でした。そこで

私:「最近体重の変動がありませんか?」

と質問したところ

 

男性:「学生時代より10kg太りました」

 

私:「では、10kg体重が増える以前と今とで、体調を比較してみてください」

と言ったところ

 

男性:「確かに以前よりだるさや胃が重いことがあり、下痢も増えました。特にお酒を飲んだ翌日は、むくんだ感覚があります。でも誰でもそうだから心配ないでしょ」

とのことでした。

 

私:「今は、お酒を飲んだ翌日しかむくむ症状はないかもしれません。でも、このままの生活を続けたら、よりむくみ、湿邪にもやられかねません」

と話したところ

 

男性:「飲酒後翌日のむくみなどの体調不良が治まらなくなったら、やっぱり困るかも。やっぱりお酒の量は減らした方が良いでしょうか?」

とおっしゃいました。

この男性は飲みに行く機会も多く、明らかにお酒による水分過剰摂取でした。

 

そこで「水分をとりすぎないように、アルコールを減らしてください。それでも体重が減らず、むくみも取れないようなら、漢方薬を毎日服用しましょう」と話しました。

 

 

日本は四方を海に囲まれており、湿気の影響を受け易いため、湿邪対策は必須です。

まずは次のようなことを心がけましょう。

 

 

湿邪対策

 ・室内の湿度は、40~60%

 ・冷たい飲食を避け、体を温める食材を食べる

 ・胃腸の働きを整える

 ・軽い運動で、汗をかく

 ・こまめに水分補給し、代謝をアップさせる

 ・規則正しく時間を決めて排尿する

 

さらに、アルコール量は他国よりかなり控えた方が良いと思います。またこれから梅雨を迎えるので、より一層控えるべきだと思います。

 

この男性のように、身体が動いて生活できれば、ご本人も周りも健康だと考えます。

でも、将来的に湿邪を受け易い「むくみ体質」の方は多いのです。

漢方の「防未病(病を未然に防ぐ)」という考え方からいえば、日頃の「むくみ」を改善しておくことは重要です。病気になる前からの体質改善をお勧めします。

 

 

気になる症状やちょっとした不調がありましたら、まずはご相談ください。

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この記事の執筆者

新海薬局

薬剤師 丹沢 仁美
Hitomi Tanzawa

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