血圧と漢方
- 生活習慣病の悩み
上の血圧が高い人は、望診でかなり分かりますが、下の血圧だけが高い人は、見た目では判断できず、血流計が役に立っています。
血圧って何?
血圧って何とお訊ねすると、
①上の血圧と下の血圧がある
②数値が高すぎても低すぎても良くない
③上の血圧と下の血圧の差が少ないと良くない
と多くの方がお答えになります。
上の血液とは
心臓が血液を送り出した時に血管の壁が押される圧力。心臓が最も収縮した時の血圧
下の血圧とは
心臓が拡張して緩み、血液を太い血管に送り出していない時に管の壁にかかる圧力
血圧が高いとどうなるの?
血管の壁に強い圧力がかかり続けると、血管が傷つき、脳、心臓、腎臓など全身の臓器障害を起こし、危険性が高まります。
具体的には、脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血などの原因となったり、心臓に無理がかかるために心不全を起こしたりします。
さて、薬局の血流計で測定して上の血圧が高い人は、通院して降圧剤を服用している方が殆どでした。
ところが下の血圧だけが高い人は、若い方も含め、病院で治療している人はいませんでした。
下の血圧が高い
心臓機能は正常でも、血管自体の血液を流す力が弱いと、下の血圧は高くなります。
原因⇒心臓から遠い場所にある末梢血管が動脈硬化で硬くなって血が流れにくくなり、圧が高くなる。
下の血圧だけが高い人は要注意!
「上の血圧は正常範囲なので大丈夫」と軽く考えている方が多いようですが、下の血圧だけが高い状態も「高血圧」です。動脈硬化のリスクは高いため、注意が必要です。
血圧が高い人の特徴
1. 肥満
2. アルコールの過剰摂取
3. 喫煙者
4. 運動不足
プラス 下の血圧が高い人の特徴
5. 更年期の女性
女性ホルモンのエストロゲンには、血管を拡張する作用がありますが、更年期とともにエストロゲンが減少し血管の弾力性が落ちます。さらに自律神経が乱れやすいことからも、下の血圧が高くなりがちです。
高血圧を漢方から考えてみると
実際の漢方相談では
まずはどんな体質か、何が原因で高血圧になっているのか等を考えていきます。
良くあるタイプと使われる漢方薬を挙げてみます。
1. 瘀血⇒血行不良で血の流れが悪い状態
冠元顆粒
血府逐瘀丸
2. 陰虚⇒身体の潤い不足
知柏地黄丸
黄連阿膠湯
天王補心丹
3. 肝火⇒自律神経の乱れ
釣藤散
加味逍遥散
黄連解毒湯
柴胡加竜骨牡蠣湯
降圧剤の服用
病院の降圧剤を服用すると一生飲まないといけないからと、敬遠する人が多いのですが、
自己判断せず、まずはご相談ください。
また、次のような方は特に注意しましょう。
1. 下の血圧だけが高い人
2. 白衣高血圧(普段は正常血圧だが、病院で測ると高血圧)
3. 仮面高血圧(病院で測るときのみ正常血圧)
漢方薬を服用することで、未病の状態で大きな病を防ぐことが出来ます。また高血圧による諸疾患の予防にもなります。血圧でお悩みの方、将来高血圧にならないか心配な方、ぜひご相談ください。