お悩み別漢方

掌蹠膿疱症2

  • 皮膚の悩み

掌蹠膿疱症 を中医学の立場から見ていきます。

 

中医学では?

掌蹠膿疱症を「湿熱」「熱毒」による皮膚病のひとつと考えます。

中医学的に原因を探り、体質に合った療法を行えば、治らない病気ではありません。

 

中医学でのメカニズム

《主な原因》

素体不足(もともと体に備わっている力が弱い)

食の不摂生

七情刺激(七情:喜、怒、憂、思、悲、恐、驚)

外邪侵襲(外邪は体の外から影響するもので、ウィルス、細菌などのほか、気候の変化などの自然現象も含みますも含みます)

心身過労

睡眠不足

内臓の働きが悪くなる・余分な水分や熱が身体にたまる・毒素がたまる

湿熱・熱毒・犯血の状態

皮膚に悪いものがたまる

掌蹠膿疱症に

 

皮膚病治療の三本柱

内服治療+外用治療とスキンケア+生活養生

 

内から…内服

外から…外用治療とスキンケア

もとから…養生(食養生、禁忌、生活養生など)

 

中医学治療は、内服薬だけでなく、外用治療とスキンケアおよび養生など、全面的なアプローチをしていきます。

 

タイプ別養生法

タイプにより治し方、使う漢方薬が少しずつ違ってきます。

(症状が同じでも、漢方では人それぞれにあった治し方を選択していきます)

 

湿熱型

症状:

小さな水疱、小さな膿疱がある。痒みあり。

 

治則:清熱利湿

身体の熱をさます、身体の悪い水分を取り除き、めぐりをよくする

 

湿熱血熱、熱毒旺盛型

症状:

紅斑がひどい、皮膚が焼けるような感じがする、膿疱が多い、かさぶたや、剥けた皮膚が多い。便秘あり。

 

治則:清熱化湿、涼血解毒

身体の熱をさまし、湿気をとる。

血の熱をさまし、身体の毒を取り除く

 

陰虚火旺、余毒未清型

症状:

紅斑があり、乾燥している。

かさぶたや剥けた皮膚は少ない。

手足がほてる。

 

治則:滋陰降火、清熱解毒

身体に潤いをあたえ、ほてりを冷ます。

身体の熱をさまし、身体の毒を取り除く

 

良く使われる漢方薬

瀉火利湿顆粒、五行草、五涼華、杞菊地黄丸、清営顆粒、ニ至丹、白花蛇舌草 など

また、症状によって必要な漢方薬を加えていきます。

 

1 赤み、灼熱感がひどい時…

黄連解毒湯、白花蛇舌草、板藍根 など

 

2 胃腸虚弱、食欲不振、疲労などがある時…

シベリア霊芝、補中益気湯、衛益顆粒、健胃散 など

 

3 ストレスでイライラがある時…

逍遥丸、加味逍遥散 など

 

4 冷え、生理不順がある時…

婦宝当帰膠 など

 

5 口、のどの渇き、皮膚の乾燥がひどい時…

麦味参顆粒、八仙丸 など

 

6 息切れ、疲労倦怠感などがある時…

麦味参顆粒、西洋人参 など

 

※症状・体質は人それぞれですので、必ず漢方の専門薬局・薬店にて相談してから漢方薬を服用して下さい。

 

生活習慣も見直しましょう。

食養生

三食きちんと、栄養のバランスのとれた食事をしましょう。

特に腸内環境をよくすることが重要です。

腸内環境を悪くすると、先に述べたビオチンが欠乏してしまいます。

揚げ物・肉・乳製品・卵・甘いものなどは控えめにしましょう。

アルコール、コーヒー、アイスクリーム、清涼飲料水、化学添加物のふくまれた食品は摂らないようにしましょう。

腸内環境をよくするためにも、穀類や旬の野菜、特に葉物(キャベツや白菜、ホウレンソウ)などがオススメです。

 

タバコは禁止

禁煙を心掛けましょう。

 

抗生物質

抗生物質は腸内の良い菌も殺してしまいます。医師と相談して用いましょう。

 

睡眠

ストレスや睡眠不足が大敵!

1日7時間の睡眠時間を確保しましょう。

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この記事の執筆者

新海薬局

薬剤師 丹沢 仁美
Hitomi Tanzawa

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