お悩み別漢方

夜中にびっしょり…異常な寝汗の原因と漢方での対処法

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今年も暑くて寝苦しい日が続いています。寝汗をかいている方も多いと思われます。

暑い時に汗をかくのは普通ですが、汗が異常に多い場合や、部屋を涼しくしているのに寝汗をかくなどの場合には注意が必要です。

 

昨年の夏、80歳代のご夫婦が湿疹の相談に来局されました。

 

「山梨は暑すぎて、旦那が湿疹だらけになってしまった。1年以上、あちこちの皮膚科の飲み薬や塗り薬を使っているけれど、身体の芯から良くなっている感じがない。ちょっと飲み忘れや塗り忘れがあっただけで一気に悪化するのは、身体の芯が悪くなっているためだと思う。アレルギー検査もしたけれど、特に大きなアレルギーはなかったので、漢方薬で体質改善したい」

 

とのご相談でした。

 

患部を見せていただくと、身体中湿疹が出ていました。今日の来局のため、ここ数日はお医者さんの薬は控えていたそうです。

 

たしかに、お医者さんの薬を服用すると、どんな時に症状が改善したり悪化したりするかが不明瞭になってしまうので、漢方薬の弁証も難しくなります。

そうはいっても、身体全体に、こんなに湿疹が出ているのであれば数日間辛かったと思います。ところどころ黒みを帯びていたり、盛り上がっていたり、掻きむしったような跡もありました。

 

1年以上も悩んでいるとのことなので、山梨の暑さが原因ではないと思います。

 

お薬手帳を拝見させていただくと、心臓疾患があることがわかりました。

お尋ねしたところ、虚血性心不全で、バイパス手術を3回しているとのことでした。

湿疹も青紫色のものがあることから、瘀血があることがわかります。

問診中、イライラしていらっしゃる様子もなかったので、ストレスが原因でもなさそうです。

おそらく、老化による疲労が原因かと思われました。

そこで

 

「疲れやすいですか?」

「ちょっと歩くと息切れや、汗が出やすいなどはありますか?」

「食欲はありますか?」

 

と、疲労が原因と想定される質問をしていく中で、ひどい寝汗があることがわかりました。

冬でも、布団がかびてしまうほどの汗をかくそうです。

 

寝汗(ねあせ)

暑い夜の寝汗は正常な生理現象ですが、普段の日の寝汗は何らかの原因があると考えます。

漢方では、寝汗は盗汗(とうかん)と呼び、原因として次のものが挙げられます。

 

盗汗(とうかん)の原因

1 気虚

・身体の免疫力や体力の低下

2 心血虚

・心を支える血液の不足、心臓機能の低下

・息切れ、動悸

3 陰虚火旺

・身体の水分不足で、熱がこもっている

4 湿熱

・身体に余分な水分や、熱が溜まっている

 

 

今回の80歳代の男性は、湿疹の色や形状から漢方の証を区別することはできませんでした。

しかし寝汗という体調不良から気虚症と考え、黄耆建中湯瓊玉膏、瘀血の観点から血府逐瘀湯をお求めいただきました。

 

黄耆建中湯

小建中湯に黄耆を加えた処方で、小建中湯の証より気虚の状態が進んでいる場合。

黄耆が加わることで、皮膚の締まりをよくし、汗を止め、皮膚に栄養を与える

 

瓊玉膏

滋養成分が体内を巡って、新陳代謝を盛んにし、気虚を改善します

 

上記の漢方薬を服用していただいたところ寝汗が止まり、2週間後には湿疹のかゆみも少し楽になったそうです。

そのまま今年の3月まで服用を続けていただき、湿疹はすっかり良くなったと喜んでくれました。

 

 

 

寝汗を治すことによって、様々な体調不良が軽くなることもあります。

たかが寝汗くらいと考えず、是非ご相談ください。

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この記事の執筆者

新海薬局

薬剤師 丹沢 仁美
Hitomi Tanzawa

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