お悩み別漢方

花粉症と漢方薬による体質改善

  • アレルギーの悩み

昨年、当店では花粉症の漢方相談は極端に少なかったように思えます。一昔前の花粉症の市販薬は、喉の渇きや眠気が強く出やすく、特に受験生や妊婦さんには漢方薬の方が好評でした。でも近年眠気の少ない市販薬が増えてきたので、そちらを選ぶ人も多くなりました。

ところが、ここ数日お電話で、漢方を試されたいというお問い合わせが続きびっくりしております。漢方では、対処療法だけでなく、体質改善もできることが選ばれる理由の1つかもしれません。

 

花粉症の原因

スギ・ヒノキ等の花粉が、鼻や目の粘膜に反応し、くしゃみ、鼻水などを起こすものが花粉症と言われます。

ただ漢方の考え方では、花粉の付着というより、風にあたることが原因とされています。

例えば、扇風機の前に立っていると、ザワザワしクシャミが出る時があります。これは、風が身体に侵入し、このような症状が出ると考えます。

また、風が身体に侵入しやすい体質の人と、しにくい人がいます。では、どういった人が風に侵入され、花粉症になりやすいのでしょうか?

 

花粉症になりやすい人

大きくは以下の3タイプです。

 

1.身体が冷えている人

低体温も含みます。

 

2 栄養が不足している人

皮膚がカサつく人、髪の毛に艶がない人
コンビニ弁当・冷凍・インスタント食品が多い人はお腹一杯食べていても、栄養不足の可能性があります。

 

3 防衛力抵抗力の低い人

体表面の防衛力不足と、身体内の抵抗力不足があります。風邪を引いても軽症な人は体表面の防衛力不足、一方吐き下し等重症になる人は、身体内の抵抗力不足です。汗かきな人も後者です。寝不足や肉体的・精神的疲労の多い人は、抵抗力が落ちやすくなります。

 

なぜ花粉症の症状の重い軽いが違うのか

どれだけ花粉が飛んでいても全然症状が出ない人がいたり、症状が軽い人、重い人がいたりするのはどうしてか?

それは…花粉に対する抵抗力が違うからです。

漢方では、花粉症の症状が強く現れる人は「衛気不足」の体質になっていると考えます。

「衛気」というのは「バリア」のようなもの。

「免疫力」と考えればわかりやすいでしょうか。

そのため、「衛気」が充実していれば花粉の影響を受けにくく、花粉症を起こしても症状を軽く抑えることができます。

反対に「衛気」が不足していると、体が花粉の影響を受けやすい状態に。

「一度花粉症になるともう治らない」と思っている方が殆どですが、漢方で体質改善し、花粉に負けない強い体を作っていくことは可能です。

実際、「しばらく漢方薬を飲んでいたら、まったく花粉症の症状が出なくなった」という方もいるんですよ。

 

花粉症で有名な漢方薬「小青龍湯」

「小青龍湯」

花粉症の有名漢方薬の「小青龍湯」を服用して効かなかったので、全ての漢方薬を嫌がる人がいます。「小青龍湯」は、寒気と熱感が必ず同時にあり、脇の下をさわると乾いている人、さらに痰も多くむくんでいる人のみ効果を発揮します。上記以外の人は、悪化する場合もあるので注意して下さい。
漢方の花粉症薬は、体質・症状の出方や程度・ライフスタイルによっても、全く異なりますので、是非相談してから服用して下さい。

 

カンタンにできる花粉症対策

・バランスのとれた食生活をこころがける
・新鮮な野菜を毎日たっぷりとる
・冷たいものを摂りすぎない
・アルコール、糖分、塩分、油などは控える
・睡眠をしっかりとる
・朝の太陽を浴び、深呼吸する
・外出時はマスクやメガネ、帽子などを着用する
・帰宅時は家に入る前に衣服に付いた花粉を払い落とす
・帰宅したら、うがい、手洗いを忘れずに。(シャワーも効果的)
・洗濯物は室内に干す

など、できることからやっていきましょう。

 

≪当店での症例≫

 

45歳女性

太陽を見るとクシャミが出る。上を向いたときに花粉が鼻から入るのか?鼻の穴の大きさや向きがよくないのか?これって花粉症の始まり?
⇒この症状は、冷え性の人に見られます。鼻の穴がどうこうではありません。食事指導をしながら、「人参湯」を飲んで頂いたところ、くしゃみは取れ、それだけでなく胃腸の調子も良くなりました。「いつもの胃腸薬下さい」と、その後も来局してくれます。

 

21歳男性

鼻水とくしゃみは出るが花粉症より、頭が痛く重くフラつくのを治して欲しい。いつもより瞼が腫れ、お顔全体も丸く太った感じ。最近意識的に水分を取っているとの事から、過剰な水分摂取による浮腫と判断しました。尿意を我慢せず、トイレに行く回数を増やすよう指導し、「苓桂朮甘湯」を飲んで頂きました。尿が驚くほど出て、頭痛などはすぐ良くなり、花粉症の症状も取れました。2週間後に来局した時は、顔もスッキリし、漢方のお陰と喜んでいました。

 

漢方薬は、このように花粉症の症状を取ると同時に、胃腸の調子が良くなったり、浮腫が改善したり、免疫力がついたりします。あなたも漢方の花粉症薬で、花粉症改善、体質改善しませんか?

 

新海薬局
〒400-0032 山梨県甲府市中央2-5-32
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火・木9:00~17:00 土9:00~15:00
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【その他アレルギーのお悩みはこちら】

寒暖差アレルギーって何?

 

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この記事の執筆者

新海薬局

薬剤師 丹沢 仁美
Hitomi Tanzawa

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