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急性胃腸炎

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6月から8月にかけては急性胃腸炎の方が増えてきます。

急性胃腸炎急性胃腸炎は、冬の場合は主にノロウイルスやロタウイルスによるもの、夏の場合は主にサルモネラや大腸菌、カンピロバクターといった細菌によるものがほとんどです。

感染経路や原因物質がわかると安心ですが、わからなくても対処方法は同じですので落ち着いて対応しましょう。

腹痛、吐き気や嘔吐、下痢、発熱といった症状が起こり、発症から2日~1週間で治まりますが、繰り返す人も多いので油断をせず、しっかりと養生しましょう。

 

急性胃腸炎になったら

急性胃腸炎になったら以下のポイントを抑えて対応しましょう。

 

下痢止めや嘔吐止めは飲まない

先述のように、急性胃腸炎はウイルスや細菌によるものがほとんどです。

下痢や嘔吐は、体に良くないウイルスや細菌を体外に排出するために行っています。これを止めると、ウイルスや細菌が体内でますます増殖し、症状を悪化させてしまうこともあります。全て出し切りましょう。

 

脱水症状に気をつける

唇が乾燥したり、顔色が白くなったり、尿が出ない、といった場合は脱水症状の初期段階です。下痢や嘔吐で失われた水分やミネラルを適宜補給しましょう。

この時、大切なことは、冷たい飲食はしないことです。冷たいもので胃腸を冷やしてしまうと、胃腸が拒否反応を起こすだけでなく免疫力も低下してしまいます。常温のスポーツドリンクや、白湯、摂りやすいスープなどで水分補給をしましょう。吐き気などがあり、どうしても経口摂取できない場合は、病院で点滴をしてもらうのもひとつの方法です。

 

新海薬局 消化の良いものを食べましょう

1日~2日で症状が治まっても、しばらくの間はおかゆやスープなどの消化の良い食事を一日5回~6回に分けて摂りましょう。

脂っこいもの、ジャンクフード、味の濃いもの、肉類は避け、加熱した温かい食事にしましょう。

 

胃腸のケアをお忘れなく

急性胃腸炎で胃腸は相当なダメージを受けています。特に腸のおけつ(血の流れが滞った状態)を改善する為、活血・腹痛止め・抗菌作用を併せ持つサンザシなどを用い、整腸作用の優れた生薬を組み合わせて対応すると良いでしょう。

 

急性胃腸炎になりやすい人?

成長途中の子どもはもちろん、疲労を蓄積してしまう人や暴食暴飲をする人は、急性胃腸炎になりやすいといわれています。これは、免疫力や胃腸の機能低下と関係があります。

何回も急性胃腸炎になってしまう人、繰り返してしまう人は、早めに胃腸の機能を正常化し、弱っている臓腑を元気にしておいてあげましょう。

 

食養生

胃腸にやさしい、消化に良い食べものをご紹介いたします。

 

(脂肪の少ない白身魚)タイ、カレイ、ヒラメ、アジ、トビウオ、スズキ、サケ、タラ、カキなど

 

野菜

山芋、里芋、長いも、じゃがいも、人参、大根、かぶ、ほうれん草、白菜、カリフラワー、かぼちゃなど

 

くだもの

バナナ、りんご、桃など

 

その他

うどん、そうめん、おかゆ、豆腐、きなこ、味噌、はんぺん、ヨーグルト、ババロアなど

 

よく使われる漢方薬とオリエンタルハーブ

いらないもの(毒)を排出する

イスクラ勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)、五行草茶(ごぎょうそうちゃ)など。

 

胃腸をケアする

イスクラ健胃顆粒(けんいかりゅう)、イスクラ健脾散エキス細粒(けんぴさん)、イスクラ冠元顆粒(かんげんかりゅう)、晶三仙(しょうさんせん)など。

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この記事の執筆者

新海薬局

薬剤師 丹沢 仁美
Hitomi Tanzawa

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