タイプ別 しびれの養生
薬局の目の舞鶴城では、今、桜の花が真っ盛り。
「仕事をしながら桜を見られるなんていいわね」と皆さんに羨ましがられています。
また昨日から信玄公祭りが開かれてます。毎年会場となる舞鶴城は大勢の人でにぎわいます。
今年は天気も良いとのこと、ちょうど見ごろの桜の花のもと、良い祭りになりそうですね。
前回「手足のしびれ・むずむず」を取り上げました。
今回はタイプ別に漢方的養生法を見ていきます。
寒さに弱い「冷え」タイプ
★ こんな症状はありませんか?
□ 手足のしびれ・むずむず感・痛み、 □ 手足の冷え
□ 寒さで症状が悪化し、温めると良くなる
□ 顔色が白い、 □ 舌の苔が白い
寒さ ⇒ 気・血の流れが滞る ⇒ 痛みが起こる
寒さによって体が冷えると、体内の気・血の流れが悪くなります。
すると手足がしびれたり、むずむずしたりといった症状がでやすくなります。
このタイプの症状は痛みを伴うことがあるので要注意です。
基本的には体を温めると症状が和らぐため、少しでも「寒い」「体が冷えた」と感じたら、油断せず早めの対応を心がけましょう。
また、普段から「冷えない体質づくり」を心がけ、体を温める習慣を身につけることも大切です。
食の養生 … こんな食材も加えてみてね
寒さを追い払い、体を温める食材
シナモン、生姜、ねぎ、適量の酒、紅茶、山椒の実など
おすすめ漢方
桂枝加朮附湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯 など
疲れやすい「気血不足タイプ」
★ こんな症状はありませんか?
□ 疲れると手足のしびれ・むずむず感が強くなる、 □ 手足の冷え、 □ 疲労感、
□ 息切れ、 □ めまい、 □ 動悸、 □ 不眠、 □ 脱毛、
□ 風邪をひきやすく治りにくい、 □ 顔色が白い、 □ 足がつりやすい
□ 舌の色が淡い
「血」は全身を巡って組織に栄養を与え、体を温める
「気」は体のエネルギー源となるほか、血をおし流し、血流をスムースに保つ
こうした働きを持つ気・血が体内に不足していると、手足まで十分に気・血を巡らせることが出来ません。
その結果、組織の栄養不足や冷えなどを引き起こし、手足のしびれやむずむず感と言った不調につながるのです。
このタイプの人は、エネルギー不足で疲労感や息切れを感じやすくなります。疲れると手足の不快な症状も強く出てしまうため、気・血を十分に養い、体力をつけましょう。
食の養生 … こんな食材も加えてみてね
気・血を養い、体力をつける食材
豚のヒレ肉、豚足、鶏肉、鮭、紅茶、クコの実、なつめ、黒豆、にんじん、もち米など
おすすめ漢方
婦宝当帰膠、芍薬甘草湯、十全大補湯、補中丸、参茸補血丸、双料参茸丸 など
慢性化に注意「血行不良タイプ」
★ こんな症状はありませんか?
□ 痛みを伴う手足のしびれ・むずむず感、
□ 症状の長期化
□ 夜間の症状が強い
□ 舌の色が暗い
手足のしびれやむずむず感が長引いている?
⇒症状の出ている箇所に瘀血(血行不良)が発生している可能性が!
瘀血の状態のまま放っておくと、痛みがひどくなったり、関節を動かしにくくなったりするなどの、
運動障害を起こしてしまうこともあります。
慢性化する前に、我慢できる程度の症状でも、しっかり対処していきましょう。
そのほか、ストレスで「気」の流れが悪くなっている人や、事故の後遺症がある人なども瘀血を起こしやすく
なっているので注意しましょう。
食の養生 … こんな食材も加えてみてね
滞った血の巡りをスムーズにする食材
紅花、よもぎ、玉ねぎ、らっきょう、なす、青魚、桃、紹興酒など
おすすめ漢方
冠元顆粒、疎経活血湯、逍遥丸、加味逍遥散、血府逐瘀丸 など
加齢による「肝腎虚弱タイプ」
★ こんな症状はありませんか?
□ 手足のしびれ・むずむず感の長期化、 □ 足腰が弱い・力が入らない
□ 腰痛、 □ 膝痛、 □ 関節が動きにくい、 □ めまい、 □ 耳鳴り、
□ 物忘れ白髪、 □ 頻尿、 □ 舌の色が淡い
五臓の「肝」は筋(腱、筋膜、じん帯など)の維持・生成
五臓の「腎」は骨の維持・生成と関係しています。
年をとって「肝・腎」の働きが衰えると、骨や関節、筋肉などの力も低下し、足腰が弱くなる、手足にしびれやむずむず感を感じる、といった不調が起こりやすくなります。
骨や関節などの運動器官を健やかに保つようこころがけましょう。
食の養生 … こんな食材も加えてみてね
肝・腎を養い、元気にする食材
くるみ、黒ごま、松の実、桑の実、山芋、えび、にら、豚マメ(豚の腎臓)、羊肉、杜仲茶など
おすすめ漢方
独歩顆粒、金匱腎気丸、杞菊地黄丸、牛車腎気丸、至宝三鞭丸 など
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