暑気あたり熱中症
まだまだ暑い日が続いておりますが、夏とはいえ、体温超えの気温にはさすがに驚きますね。
こう暑いと、身体もすっかりばててしまいます。
そこで、今年も色々な暑さ対策が話題になりました。
塩飴や小型扇風機やクールマフラー、そして毎年紹介されるのは『夏に激辛料理を食べて元気になろう!』という企画ですが、中医学的には『ほどほどにね』となります。
にんにく、唐辛子、激辛スパイスで食欲増進や発汗を狙うというものですが、これらは食べ過ぎると身体に熱をこもりやすくし、気や津液を消耗させて、夏バテへとつながっていきます。激辛料理はほどほどにして頂ければと思います。
暑気あたり、熱中症予防の漢方
漢方薬の材料、生薬にはそれぞれ性と味(性味)というものがあります。
性は薬性、味は薬効です。分類の基本は五行論で、季節や臓腑もすべて五行に分類されていますから、例えば夏=心=苦という方程式が出来上がります。
【性】
【味】
五臓 五味 特徴 木 肝 酸味 収れん。汗や尿など体液の過剰な流失を避ける。多汗、下痢、頻尿、不正出血、筋肉のゆるみを改善。 火 心 苦味 身体の過剰な熱を冷まし、炎症を取り除く。体内の余分な水分を排出する。鎮静、利尿、高熱、急性の炎症、のぼせ、便秘などを改善。 土 脾 甘味 気(エネルギー)や血(栄養素)を補い、痛みを取り除く。機能低下、栄養不良などを改善。 金 肺 辛味 身体を温めて気血の流れを良くする。邪気を発散し風邪や血行不良を改善。 水 腎 しおからい(鹹) 硬くなった筋肉や皮膚をやわらかくする。しこり、肥満、便秘、老化に伴う諸々を改善。
涼性や寒性、また、苦味には熱を冷ますはたらきがあるので、暑気あたりや夏ばてには最適で、また、食べ過ぎ飲み過ぎによる胃熱や胸やけなどにも用いられます。
ただ、ひとつの生薬で複数の性味を併せもっているものもありますし、部位によって性味が変わることもあるので、服用の際は専門家に相談して最適なものを選ぶと良いでしょう。
いぐさも生薬
畳やござでお馴染みの藺草(いぐさ)は、別名灯心草(とうしんそう)といい、昔は灯心としても使われていましたが、生薬としても用いられています。
灯心草を用いた処方には『分消湯(ぶんしょうとう)』などがあり、暑気あたりや膀胱炎などの炎症を伴う排尿異常、また小児の夜泣きなどに活用されています。
真夏の食養生
苦味の食べもので熱をとる
ニガウリ(ゴーヤ)、杏仁、銀杏、緑茶など甘味の食べもので元気に
山芋、かぼちゃ、きのこ類、湯葉や豆腐、くこの実、なつめ、ぶどうなど酸味の食べもので汗のかきすぎを防ぐ
梅干し、ざくろ、あんず、酢などエアコンで冷えた身体を温める
豚モモ肉、鮭、人参、ねぎ、シナモンなど
夏の暑さで疲労がたまってくると、体力や免疫力が低下し、風邪をひきやすくなります。
早めに体力を回復し、季節の変化に対応できるようにしておきましょう。
質の良い睡眠を心がけ、日中はよく動き、バランス良く旬の食べものをいただきましょう。お風呂でゆっくり身体を温めることも大切です。
※漢方薬は医薬品です。服用の際は必ず専門スタッフにご相談ください。
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