大腸がんの基礎知識2
今回のテーマは「大腸がんの検査」です
便潜血(べんせんけつ)検査
大腸がん検診として公費の補助により行われているのが「便潜血検査」です。
「がん」がある部分を便が通過するときに、その箇所から出血しやすいとされ、
そのときに出た血が便に混ざります。
このわずかな血液を検査する方法が便潜血検査です。
利点:
便の表面をブラシでこするだけなので、検査が簡単
あまり費用がかからない
問題点:
出血している「がん」でないと分からない
痔などの出血で「陽性」となってしまうことも多い
つまり、便潜血(べんせんけつ)検査が「陰性」だからといって、
「がんではない」とは言い切れないことに注意しましょう。
とはいえ、 便潜血(べんせんけつ)検査が「陽性」だったり、大腸がんを疑う症状がある時には医療機関を受診しましょう。
医療機関受診
問診:
現在の症状のほか、
家族にがんの人はいるか、今までにどんな病気をしたかなど聞かれます。
触診:
腹部や直腸の触診を行うこともあります。
※直腸触診
指を肛門から直腸内に挿し込み、しこりや異常の有無を指の感触で調べるものです。
精密検査
★大腸内視鏡検査
先端にカメラとライトがついた内視鏡を、肛門から大腸の中に入れて行う検査です。
モニター画面に大腸の内部が映し出され、がんや大腸の状態を詳しく調べることができます。
ポリープなどの病変がみられた時には、細胞をとったり、ポリープを切除したりし、
良性か悪性か調べていきます。
注意点:
通常20分程度で終わり、多くの場合、大きな苦痛はありませんが、経験豊富な腕の良いドクターに任せた方が安心です。
内視鏡をきちんと洗浄・消毒しているかどうかも確かめると良いでしょう。
がんが見つかったら
↓
大腸がんの治療は、がんの進行度(ステージ)に応じて行われます。
大腸がんの位置、大きさ、他の臓器への転移など細かく検査していきます。
こんな検査が行われます
腫瘍マーカー:
健康な人にはほとんどない特別な物質が、体内に腫瘍が出来ると大量につくられ、血液中に出現してきます。
この物質を「腫瘍マーカー」といいます。
採血による血液検査で調べます。
超音波(エコー)検査:
超音波をあて、がんの位置、肝臓やリンパ節への転移など調べます
腹部・胸部CT(コンピュータ断層撮影検査):
体を輪切りにした状態を画像化します
がんの位置や形、大きさ、転移していないかなど調べられます
MRI検査(磁気共鳴画像法)
CTのように、体を輪切りにした状態を画像化しますが、
X線を使わず、強い磁石と電波を使って体内の状態を画像化していきます
PET(ペット)検査(陽電子放射断層撮影法)
放射性ブドウ糖液を注射し、取り込まれている様子などを撮影します。
がん細胞は正常な細胞より数倍ものブドウ糖を取り込むという性質を利用したものです。
全身の細胞のうち、がん細胞だけによりはっきりとした目印をつけることができるため、
小さながんの発見にも効果があるとされています。
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