乳がんの基礎知識…1
Q:日本で女性のかかるガンの1位は何かご存知ですか?
A:「乳がん」です
日本では、5、60年前乳がんで亡くなる人は2000人程しかいませんでした。
しかし、年々急増し、 今では1万3千人以上もの人が亡くなっているそうです。
一気に6~7倍に!
がん死亡数の上位は、肺がんや大腸がんが占めていますが、女性のがん罹患数1位は「乳がん」です。
2015年は9万人近い数になるとのことです。
これだけ「乳がん」になる人がいて、TVなどでも「乳がん検診を受けましょう」とCMや特集もされているので、
「乳がんになったら困るな」という意識はあるでしょう。
でも「乳がんとはどのようなもの?」と聞かれてもよく分かっていないのが実情ではないでしょうか。
検診も「そのうちにいつか」と思っても、定期的にしっかりケアしている人は少ないのではないかと思います。
そこで、乳がんについて、少し書いていこうと思います。
乳がんとは?
◎乳房に出来るがんのことです。
乳房には、「脂肪」と「乳腺」組織がありますが、
乳がんはこのうちの「乳腺」組織にでき、「脂肪」からは発生しません。
※「乳腺」組織
乳腺は小葉という主に乳汁を作る組織と、
乳管という乳汁を乳頭まで運ぶ管とから成り立っています。
乳頭を中心に乳腺が放射状に15~20個並んで小葉までつながっています。
乳がんの約90%はこの乳管から発生し、乳管がんと呼ばれます。
小葉から発生する乳がんが約5~10%あり、小葉がんと呼ばれます。
まれに、パジェット病という特殊な型があり、これは乳頭(にゅうとう)・乳輪(にゅうりん)にただれや湿疹ができます。
乳がんの原因
直接な原因は不明ですが、次のような人は乳がんにかかりやすいとされています。
○ 近親(母親か姉妹)に乳がんになった人がいる
○ 肥満気味
○ 初潮年齢が早い
○ 閉経年齢が遅い
○ 出産回数が少ない、または出産経験がない
○ 最初の出産年齢が遅い
また、アルコールや喫煙、ストレスなどもガンの要因として挙げられます。
肉類が多い西洋風の食事も同様です。
(乳がんが増えてきた原因の一つが、食事の洋風化と言われています)
乳がんの種類
非浸潤がん、浸潤がん、パジェット病の3つに分けられます。
1.非浸潤がん
「乳管」や「子葉」といった「乳腺」組織に出来た「がん細胞」が、まだそこにとどまっている段階のものを言います。
ごく早期のがんなので、この段階で見つかって治療できると、ほぼ完治出来るそうです。手で乳房を触っても「しこり」が触れないことがほとんどです。
「マンモグラフィ」や「超音波」などの検診で見つかることが多いそうなので、検診を受けることは大切ですね。
2.浸潤がん
がん細胞が「乳管」をこえて、まわりの脂肪組織や結合組織までに広がっているものを言います。
「しこり」が触れて発見されることが多いです。
3.パジェット病
乳頭がただれて発見される乳がんです。
多くは早期のがんで、「しこり」は触れません。
乳頭部分のただれがなかなか治らない場合は、パジェット病の可能性があるので、病院で検査してもらうと良いでしょう。
乳がんの症状(自覚出来る症状)
□ しこりが触れる
□ 乳房の形や大きさが違ってきた
□ 乳首から分泌物が出る(血液が混じることがある)
□ 乳房の皮膚がひきつれる
□ 乳房に陥没したところがある
□ 乳首が陥没した
□ 乳首から分泌物が出る(血液が混じることがある)
□ 乳首にただれ、湿疹がある
など
少しでも症状があれば、まずは医療機関を受診しましょう。