お悩み別漢方

乾燥肌

  • 皮膚の悩み

長かった夏がようやく落ち着き、秋らしい毎日となりました。

以前は、10月1日の衣替えで一斉に長袖を着ていたと記憶しています。

でも今年は10月いっぱい半袖で通す方も多くなっているようです。

そんなことからか、腕の乾燥が目に付くようになりました。

先日も60代後半の男性が半袖でお見えになり、腕を見たところ、とてもカサカサしていました。そこで

「腕がずいぶんカサカサしているけれど日焼けしましたか?どこかお出かけなさいました?」

と尋ねたところ

「どこにも出かけていないけれど、毎年秋になるとカサついて、粉が吹いたようになる。」

とのお答えでした。

「肌がしっとりする漢方薬を飲んでみませんか?」

とお伺いしたところ

「えっ?肌がカサつくくらいで漢方薬?ローションとか軟膏ならまだしも、薬を飲むのはちょっとね~」

と言われました。

 

それもそうです。

一般的には、丁寧なスキンケアを続けていても乾燥肌が改善しない人でなければ、漢方薬で内側からアプローチしようと思わないでしょう。

かゆみもないのだから、あまりにも唐突すぎた提案だったことを反省しました。

しかし「ただの乾燥」と軽く考えている方が多いのも確かです。

そこで、乾燥について少し詳しくお話しようと思います

 

 

【肌は内臓の鏡】

秋から冬にかけて気温が下がり、空気が乾燥してくると、乾燥肌に悩まされる方が多くなります。

「肌は内臓の鏡」と言われるように、肌と内臓とは関係性が深いのです。

肌が乾燥しているということは、身体の内側も乾いている可能性があります。

漢方では、このような状態を

「津液(しんえき)不足」と言います。

 

 

【津液不足】

津液とは、簡単に言うと、身体に存在する水分のこと。ただし「血」は含まれません。

「津液」は、身体に潤いと栄養を与える働きがあります。

 

津液が不足すると、皮膚や内臓、目鼻口などの粘膜が乾いてきます。さらに症状が進むと、「ほてり」という熱症状も見られます。

熱症状が強くなると、免疫力も落ち、様々な病に見舞われがちです。

実は「ほてり」は大きな病気になる黄色信号なのです。

 

 

 ◎こんな症状はありませんか?

  • 肌や唇の乾燥
  • 喉の渇き
  • ほてり
  • 尿量減少
  • 便秘
  • 声の枯れ
  • 空咳
  • 毛髪に艶がなくなる
  • 目の渇き  など

 

 

【身体の乾燥対策】

津液不足の説明をすると、水分不足なら水を飲めばよいとよく質問されますが、水だけではなかなか津液は補えません。

津液不足におすすめなのが、飲む美容液と言われる「瓊玉膏」です。

「瓊玉膏」は元々、不老長寿、滋養強壮を目的とする漢方薬なので、2か月ほど飲むと、肌に潤いが戻り、若々しくなります。

 

 

 

 

 

【津液不足にお勧めの漢方薬】
・瓊玉膏
・婦宝当帰膠
・亀鹿仙
・四物湯
・六味丸

 

【当店の症例】

〈20代女性〉

18歳の時にアトピー性皮膚炎になり、漢方薬の「温清飲」を服用しています。

症状は落ちついていますが、秋口など、空気が乾燥してくると皮膚がカサつき、

一気にかゆくなります。


 

 

 

 

 

 

⇒いつもの漢方薬である「温清飲」と一緒に「瓊玉膏」を服用していただきました。

しばらく続けていただいたら、カサつきもなくなり、乾燥時も随分楽になったとのことです。

 「これは手放せない」と、今も継続して服用されています。

 

この季節の乾燥肌は「津液不足」の可能性があります。

早めに「津液」を補う漢方薬を服用すれば、大きな病を未然に防ぐことになります。

早めの対策をおすすめします。

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この記事の執筆者

新海薬局

薬剤師 丹沢 仁美
Hitomi Tanzawa

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